こんにちは。今日は、先日の荒れに荒れたアメリカ大統領選挙の結果、就任がほぼ確定となったバイデン氏についてのお話しさせていただきたいと思います。
と、言っても政治的なことではありませんので、ご心配なく。
バイデン氏は、2011年の東日本大震災の際に、当時の米国副大統領として来日されました。
その際、被災者の方々に対してスピーチを行い、朝日新聞デジタル版(2011年8月23日)で、以下のように記事にされていました。
❝被災者らにこう強調したい。バイデン氏は事故で自らの妻子を失った経験がある。それだけに、「この中に家族を失った人はいますか」と呼びかけ、「周りの人は『時間がたてば立ち直れる』というが、そういうものではない。私はその気持ちがよく分かる」といたわると、涙ぐむ人もいた❞
みなさんは、大切な方を亡くした時に、友人や知人から慰めの言葉をかけていただいたことがあると思います。
よく言われる言葉は、「気を落とさないで」「何かほかに熱中することがありませんか」「1人になった方がいいかもしれません」「時が解決します」「しっかりして」「忙しくしていれば忘れますよ」ではないでしょうか。
でも、自分が悲しんでいる立場だったら、どうでしょうか。本当にそのように思うのでしょうか。
バイデン氏は、ご自身の悲しい経験から、「時間がたっても悲しみが癒されることはない」「そのことをご自身で経験した」そして、「自分にはその気持ちがよくわかる」とおっしゃいました。
そして、上辺の慰めの言葉で悲しむ人に話かけるのではなく、「皆さんの悲しみに寄り添います」という本当に心のこもったメッセージですね。
悲しみは時間が経っても癒されることはない、それを知りながら悲しみの気持ちを整理し、つきあっているからこそ、バイデン氏は政治家としての人生を歩み、大統領にまでなることができたのではないでしょうか。
バイデン氏がなくされたご家族、そして東日本大震災でお亡くなりになった方のご冥福をお祈りいたします。
ご家族を失われたみなさまの悲しみに寄り添っていけるように私たちも努めてまいりたいと思います。
著者:Y.S.
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