グリーフリカバリーのワークショップモニターにご参加下さった40代の女性から、こんなお話を伺いました。
「バツ1子持ちで同じ年齢の男性と、私は結婚したくてお付き合いをしていたんです。
その彼は、10年間、元奥さんから無視され続けて、寝る部屋もなくてキッチンで寝ていたそうで、それが辛くてうつ状態になり、離婚を決めたと話していました。
私が食事を作ると、美味しいしあわせだと感激してくれるので、その元奥さんのぶんも大切にしてあげたいなと思っていました」。
ところが、その彼との付き合いが3年になろうとした頃、突然彼から別れを切り出されたそうです。
「彼の前でスッピンでいることも多かったので、女性としての魅力を感じなくなったのかとか、忙しくて不機嫌になったことが嫌だったのかとか、色々聞いてみたのですが、『大好きだし、一緒にいると楽しいし癒されるけど、どうしても結婚がイメージできない。あなたは結婚したいんだから別の人を探した方がいい』と言った最後に、こうつぶやいたんです。『俺、前の嫁に未練があるのかな?』と」。
あんなに悪口ばかり言っていた元妻が、なんで、ここで出てくるの?!彼女は衝撃を受け、理由を問い詰めることも、関係を続けたいとすがる気もすっかりなくなり、あっさり恋愛関係を解消したそうです。
この彼はグリーフ、つまり離別による心の痛みが完結していないために、自分でも理由がよくわからないまま良好な関係を壊しているのか──これに対する答えが知りたくて女性はモニター参加をしてくれました。
そして、当然、私たちに質問をされました。
私たちからの彼女への答えですが、まず別れは、人により相手により状況によりタイミングにより性質が変わりますから、似て見えても同じものは1つも存在しないということです。
彼女も私たちも、実際にその男性が元妻と過ごした日々を経験していませんから、彼の心の内は正確には把握できません。
けれどもこれだけははっきりと言えます。結婚や恋愛といった関係性の中で生じたグリーフをきちんと終わらせていないと、「もう一度同じような問題が生じて、また別れを招いてしまうのではないか」という不安を植え付けたままにし、それが実際にパートナーとのトラブルを招くということは、よく見られる現象です。
こうお話ししたところ、彼女は「彼の不可解な言動を分析はできないけれど、私と彼との間に生じたグリーフを、私が完結できないと、私も彼のように、自分にも相手にもはっきり説明できる理由もないまま、せっかくできた次のパートナーに別れを告げてしまう可能性があるのですね」と、眉間にシワを寄せて少し考えた後、「私、グリーフリカバリーのワークショップを受けます」と言ってくれました。
自分の行動のすべてを、自分の理性と知性で完全に理解してコントロールできるとしたら、それはよほど特別な訓練を積んだ人だけです。
無意識にしている行動が多いからこそ、それに影響する心や感情にネガティブな要素を放置しない。これはとても重要な心がけです。
結婚、恋愛、職場、友人、親子など人間関係の破局・破綻に特化したグリーフリカバリーのオンライン・ワークショップ をご提供してします。
大切な人とのつながりを失って苦しんでいる方、モヤモヤしている方、個人主義のアメリカで注目され、多くの人が取り入れたメソッドを試して見ませんか
著者:チンアナゴ