グリーフリカバリーのワークショップでは、参加したメンバー内でペアを組んで、辛い胸のうちをお互いに明かしていくということも含めたワークを行っていきます。
知人の方とご一緒の参加でなければ、本名を明かすことはなく、仕事やどこに住んでいるのかも知らない、そしてワークショップが終われば話すこともなくなるであろう者同士です。
こういった間柄では信頼して自分の話をすることは難しいと思われますか?
1つわかっていることは、ここがとても重要なのですが、お互いがグリーフ=喪失による痛みに苦しみ、それを完結させたいと望んでいるということです。
もちろん、そこで話されたことは漏らさない、秘密を守るという誓約を何度も交わし合うのですが、痛みを知る者同志の誓いですから、その確かさはきっとお分かりになることでしょう。
そして、まさに一期一会な出会いとなるわけですが、このペアで話をしたり聞いたりしていると、自分の中に新しい気づきがあるということが、よく起こります。
私たちが相性を予測しているわけではなく、オンライン会議アプリの機能を使って振り分けているのですが、絶妙なペアが生まれることが多いように感じています。
もしかしたら、今後のお付き合いがない人だからこそ話しやすいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
そういった方は特に、これまで家族や友人に辛い体験を話してきたけれど、遠慮があって話しきれなかった部分があったり。
あるいは、相手の方が親しいからこそ悪気なく話の途中で「ああ、わかる! 私もこういうことがあって」と話の腰を折られたり、「そんなことにいつまで囚われてるの?」と否定的なことを言われ、モヤモヤしたりさらに傷ついたりした、ということはなかったでしょうか。
グリーフリカバリーのワークは、相手が話しているときは、自分の言葉を挟まずに最後まで静かに聞くことが絶対的なルールとなっています。
相手のお話に心が動かされて涙を流してしまったり、楽しい部分ではつい笑ってしまっても自然発生的なことは許しあいますが、言葉を発したり、大きく頷くなど、話の内容に対して意図的な反応はしないということです。
反応が薄い相手に話すだけで、心が落ち着くのだろうか? と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、「オンラインであっても相手の方が真剣に耳を傾けてくれている安心感と、話したいことをそのまま話せることの心地よさを初めて知った」、参加者の方はそうおっしゃってくださいます。
8月からスタートする「グリーフリカバリー」のオンライン・ワークショップ について詳しくお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。
ご参加をお待ちしております
著者:チンアナゴ