ワークショップにご参加いただいた方が、終了して今振り返ってみて感じたことを話してくださったので、許可をいただいてここにご紹介します。
Y.S.様、男性
こんにちは。
今回は私がグリーフリカバリーのワークショップに参加しようと決めた動機についてお話しします。
あるとき、アメリカで暮らす知人からグリーフリカバリーという“喪失の痛みから回復する”メソッドがあると聞きました。そのメソッドは、グリーフを研究する組織によって構築されたもので、悲しみを秩序立てて、自分で整理していくというものだというのです。それまで見聞きした、悲しみへの対処の仕方とは根本的に違うことに驚き、とても興味を持ちました。
私の母親はすでに他界しています。母は私を女手ひとつで育ててくれました。しかし、私は大学を卒業したあとハワイに渡り、現地の大学に再入学。そのままハワイで働きはじめて、長い間に日本に帰ってきませんでした。
私が日本に戻ってきたとき、母はすでにかなり高齢でした。その年齢ですから当然のように、体の自由もきかなくなっていたのです。
母には介護が必要な状態でした。しかし、家族で介護することは難しかったため、妻と相談して施設に入ってもらうことを決めたのです。
それからのち、母は他界。そのとき私の胸には、「母のために、もっと何かできたのではないか」「母の人生は幸せだったのだろうか」といった深い後悔の念がわきおこりました。
後悔の念に長く苛まれ、トゲが胸に刺さり続けているようでした。
それが、グリーフリカバリーを学び終えたとき、何かふっきれたような感覚になりました。それからは、罪悪感を感じたり、母がいないという寂しさを思い出したりすることはなくなったのです。
こうして、グリーフリカバリーによって、長年私を苦しめてきた気持ちから解放されました。この経験から、私はグリーフリカバリーの重要性を実感することになったのです。
悲しみは、死別、離婚、恋人との別れ、ペットの死、健康上の変化、さらには日常的な体験も含まれます。ある一面からだけ私たちの人生を見た場合には、悲しみがあふれているといっても過言ではないと思います。
悲しみを抱えて、誰にも相談できず、ひとりで抱え込み、他人には悲しむ姿を見せない努力をしているとしたら、その孤独は悲しすぎる……私はそう思うのです。
WHATリカバリーが提供しているグリーフリカバリーメソッドは、喪失の痛みから抜け出せる一助になります。私は自分自身の体験を通して、そのことを実感し確信しています。
著者:Y.S.